ポポッ学『スン民の回避語辞典』
本講義では、「スン民」と呼ばれる人々の言語行動について扱う。
スン民とは、関わりすぎず、傷つけず、しかし会話は成立させるという高度な技術を持った存在である。
彼らは沈黙を選ばない。
しかし、深くも踏み込まない。
その結果生まれたのが、「回避語」である。
■ 回避語の基本構造
スン民の言葉は、以下の三要素によって構成される。
・評価をぼかす
・判断を保留する
・関与を最小限に抑える
この三つが揃ったとき、会話は壊れず、かつ何も残らない。
■ 代表的な回避語
「世界観あるね」
── 内容には触れていないが、否定もしていない
「雰囲気いいね」
── 印象だけを扱い、判断を避けている
「いいと思う」
── 思っているだけで、責任は伴わない
「なるほどね」
── 理解したように見せて、評価はしていない
「人それぞれやね」
── すべてを終わらせる万能句
■ 回避語の機能
回避語の目的は、伝達ではない。
関係の維持である。
本音を出さず、否定もせず、場を壊さない。
そのために、言葉は内容を削ぎ落とされ、空気だけが残る。
言い換えれば、スン民は
「何も言わないこと」を、言葉で実現している。
■ 結論
回避語とは、沈黙の代替である。
そしてスン民とは、
沈黙を選ばずに沈黙を実現する者たちである。
ポポッ🕊✨