旧校舎・研究録

白鳥教授の再生利用工学研究録 第三号『輪ゴムほど未来が詰まっとる材料はないぞい』

「輪ゴムほど未来が詰まっとる材料はないぞい」

そう語るのは、白鳥教授である。

① 本閉じ装置

学生が言う。

「教授、本が閉じてしまうんです」

フォッフォッフォッ……

教授は、輪ゴムを本にかけた。

「ほれ」

学生はしばらく見つめて言う。

「……ただの輪ゴムです」

「完成じゃ」

② 動画講義視聴装置

机に本を置き、輪ゴムをかける。
そこにスマホを立てる。

「動画講義視聴装置じゃ」

学生が言う。

「100円ショップにありそうです」

フォッフォッフォッ……

「ワシは0円じゃ」

③ マイクショック吸収装置

マイクスタンドに輪ゴムを何本も張る。
そこにマイクを浮かせる。

「振動が伝わらん」

即席ショックマウントである。

④ 指トレーニング器具

輪ゴムを指にかけ、開閉運動を繰り返す。

「声優の指神経トレーニングじゃ」

学生が言う。

「声優と関係あります?」

フォッフォッフォッ……

「ある気がする」

研究室には、束ねられた輪ゴムが無数にある。

白鳥教授は、それらを見つめて言う。

「まだ使える」

「それだけで、未来は残っとる」