旧校舎の研究室。
机の上に、大量の丸いガム団子が置かれている。
学生が言う。
「教授……これ何ですか?」
フォッフォッフォッ……
「これはのう……極めて環境に優しい捕獲装置じゃ」
「人間が噛み終えたガムは、まだ粘着力を持っておる」
教授はガム団子を床に置く。
「夜になると、奴らは必ずここを通る」
学生がたずねる。
「奴ら?」
フォッフォッフォッ……
「ゴキブリじゃ」
翌朝。
ガム団子には、見事に捕獲されたゴキブリ。
教授は満足そうに言う。
「フォッフォッフォッ……再生利用工学の勝利じゃ」
学生が言う。
「教授……それ……ちょっと嫌です」
フォッフォッフォッ……
「安心せい。これはまだ試作品じゃ」
学生が続ける。
「教授……それ、市販の掃除ジェルと原理同じでは?」
フォッフォッフォッ……
「先に思いついたのはワシじゃ」