諸君。
子どもは、よくピコンが鳴る。
突然、絵を描き出す。
意味のわからない歌を歌う。
話が急に始まる。
これらはすべて、ピコンの典型例である。
では、なぜ子どもはピコンが多いのか。
理由のひとつは、「出してよい環境」にある。
子どもは、何かを出したとき、反応を得る。
「すごいね」
「おもしろいね」
といった言葉が返る。
このとき、ピコンは強化される。
出す。
反応がある。
出してよいと感じる。
また出す。
この循環が、ピコンの発生頻度を高める。
正しさよりも、
「出してもよい」という空気のほうが強い。
ここで重要なのは、内容の正しさではない。
意味があるかどうかでもない。
ただ、「出してもよい」という空気である。
一方で、この循環が途切れると、ピコンは弱くなる。
無反応。
評価のみ。
修正要求。
正解の提示。
これらが続くと、子どもは出さなくなる。
正確には、出す前に止めるようになる。
このとき、ピコンは消えたのではない。
発生の前に、検閲が入るようになっただけである。
ピコンは消えない。
止められるだけである。
大人になると、この検閲は内面化される。
「今出しても大丈夫か」
「意味があるか」
「役に立つか」
この問いが先に立つと、軽いピコンは消える。
しかし、条件が整えば、ピコンは再び現れる。
評価されない場所。
意味を求められない時間。
反応が返る関係。
この環境においてのみ、ピコンは再び鳴り始める。
したがって、子どものピコンと大人のピコンは、本質的には同じである。
違いは、環境と、許可の有無だけである。
以上。