諸君。
ピコンは、単独で完結するものではない。
多くの場合、ひとつのピコンは、別の何かに触れ、さらに別の動きを生む。
ピコンは、つながることで形を持つ。
この連鎖は、直線的ではない。
Aがあって、Bがあって、Cに至る、という順序ではない。
むしろ、一見無関係なもの同士が接触し、その結果として、別の場所で変化が起きる。
この構造は、いわゆるピタゴラス装置に近い。
ボールが転がり、予想外の経路を通りながら、最終的にひとつの結果に至る。
ここで重要なのは、途中の動きである。
遠回り。
意味不明な接触。
無駄に見える経路。
これらは、結果だけを見れば不要に見える。
しかし、それらがなければ、結果は成立しない。
無駄に見えるものが、
全体を成立させている。
ピコンも同様である。
ひとつひとつは、役に立たない。
説明もできない。
しかし、それらが連鎖したとき、思いもよらない地点に至る。
ここで多くの人は、結果を先に求める。
「どこに行くのか」
「何になるのか」
しかしこの問いは、連鎖を断ち切る。
ピタゴラス装置において、最初から結果だけを求めた場合、途中の構造は成立しない。
ピコンも同じである。
結果を急ぐと、連鎖は止まる。
したがって、本講義では、結果の予測を放棄することを推奨する。
代わりに、ひとつひとつの接触を観察する。
何が触れたのか。
どこで動いたのか。
なぜそこが反応したのか。
これらを、意味づけせずに見る。
その結果、ある地点に到達する。
それは、最初に想定していた場所ではない。
しかし到達したとき、強い納得が伴う。
「ここやったんか」
以上。