諸君。
ピコンは、なぜか、タイミングを選ばない。
より正確に言えば、
人間側の都合を、一切考慮しない。
ピコンは、こちらの予定表を見ていない。
その典型例が、ドライヤー前である。
髪を乾かそうとした瞬間。
両手がふさがる直前。
「何も考えなくていい時間」に入ろうとしたそのときに、ピコンは来る。
なぜ今なのか。
なぜこのタイミングなのか。
理由は、わからない。
しかし観察を続けると、
ひとつの傾向が見えてくる。
ドライヤー前とは、思考が「終わり」に向かう瞬間である。
- 一日の区切り
- 作業の終わり
- 次の行動への移行点
人はこのとき、無意識に思考を手放す。
まとめようともしていない。
判断しようともしていない。
ただ、切り替えようとしている。
この無防備な隙間に、ピコンは現れる。
思考が終わる直前に、
別の思考が割り込んでくる。
それが、ドライヤー前現象である。
問題は、そのあとである。
多くの人はここで迷う。
捕まえるべきか。
無視するべきか。
濡れた頭のままスマートフォンに向かうか、
そのままドライヤーを使うか。
本講義の立場は明確である。
まず、乾かす。
ピコンは、捕まえたときよりも、
信じて流したときのほうが、質が上がる。
重要なピコンは逃げない。
逃げるピコンは、その日の出番ではない。
したがって、ドライヤー前にピコンが来た場合は、
「今ちゃうやろ」と一度だけ心の中でつぶやき、予定通り、髪を乾かすこと。
そのうえで、もし同じピコンが戻ってきた場合にのみ、軽く扱う。
なお、濡れた頭でスマートフォンに向かう行為は、完全に禁止するものではない。
ただし、週一回までとする。
以上。