無意味芸術論

ピコン学入門|第4講:損得思考とピコンの断絶

諸君。

ピコンが来ない理由のひとつに、
損得思考の常駐がある。

ピコンは、意味になる前に現れる。

ここで言う損得思考とは、単なる判断力ではない。

  • これは役に立つか
  • 時間に見合うか
  • 回収できるか
  • 意味があるか

こうした問いが、常に先回りして現れる状態である。

この状態では、何かが浮かびかけた瞬間に、検閲が入る。

「で、それは何になる?」

この一言で、多くのピコンは消える。

ピコンは、意味になる前に現れる。

したがって、意味を先に要求する環境では、成立しない。

意味を急いだ瞬間、
ピコンは引き返す。

ここで注意すべきは、
損得思考そのものが悪いわけではない、という点である。

社会生活において、それは必要な機能である。

問題は、それが常に前面に出ていることである。

ピコンは、無防備な場所にしか現れない。

  • 評価されない
  • 説明しなくてよい
  • 役に立たなくてもよい

この条件が揃ったとき、はじめて現れる。

損得思考が強い人は、創造性がないのではない。

創造が起きる前に、門番を立てているだけである。

問題は能力ではない。
門番が早すぎるだけである。

したがって本講義では、損得思考を捨てることは推奨しない。

代わりに、別室を用意することを推奨する。

  • この時間は無駄でよい
  • 何にもならなくてよい
  • 評価されなくてよい

この空間においてのみ、門番を休ませる。

ピコンは、その隙を見て現れる。

なお、この時間を「有効活用しよう」と考えた場合、
それはすでに損得思考の再侵入である。

この点には、十分注意されたい。

以上。

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