諸君。
ピコンが来ない理由のひとつに、
損得思考の常駐がある。
ピコンは、意味になる前に現れる。
ここで言う損得思考とは、単なる判断力ではない。
- これは役に立つか
- 時間に見合うか
- 回収できるか
- 意味があるか
こうした問いが、常に先回りして現れる状態である。
この状態では、何かが浮かびかけた瞬間に、検閲が入る。
「で、それは何になる?」
この一言で、多くのピコンは消える。
ピコンは、意味になる前に現れる。
したがって、意味を先に要求する環境では、成立しない。
意味を急いだ瞬間、
ピコンは引き返す。
ここで注意すべきは、
損得思考そのものが悪いわけではない、という点である。
社会生活において、それは必要な機能である。
問題は、それが常に前面に出ていることである。
ピコンは、無防備な場所にしか現れない。
- 評価されない
- 説明しなくてよい
- 役に立たなくてもよい
この条件が揃ったとき、はじめて現れる。
損得思考が強い人は、創造性がないのではない。
創造が起きる前に、門番を立てているだけである。
問題は能力ではない。
門番が早すぎるだけである。
したがって本講義では、損得思考を捨てることは推奨しない。
代わりに、別室を用意することを推奨する。
- この時間は無駄でよい
- 何にもならなくてよい
- 評価されなくてよい
この空間においてのみ、門番を休ませる。
ピコンは、その隙を見て現れる。
なお、この時間を「有効活用しよう」と考えた場合、
それはすでに損得思考の再侵入である。
この点には、十分注意されたい。
以上。