事故り詩 『一生懸命喋ってたのにミュートだった』

事故現場は、日常にあり。

朝から声の調子は悪くなかった。
ちょっと緊張してたけど、
ちゃんと伝えようと思って、
一生懸命喋ってた。

身振り手振りも交えて、
言葉を選んで、
何度か「えっと…」を挟んで、
でも、喋った。

……でも、
「ミュートですよ」って言われた。

え、
え?
最初から?
ずっと?
全部?
今のが、全部“無”やったん?

頭が「シャー」って鳴った。
耳の奥がジンってした。
顔の火照りが冷めへん。
喋った分だけ、自分がバカみたいに見えた。

「すみません💦」って
軽く笑って切り返したけど、
あれはもう、
心からの土下座やった。

誰も責めてへんのに、
自分が許せへん感じ。

マイクボタン一個押し忘れただけで
“存在そのものが消されてた感じ”
……それがいちばんキツいんよ。

もう今日、喋らんでええかもって思ったけど
次の予定もあるから
なんもなかったフリで
またマイクオンにした。

でもほんまは、
ちょっとだけ泣いてた。
電車の中の広告見て、
「それ、わたしやん」ってなってもうた。

ポポッ🕊✨
「詩が浮いてるんじゃない、世界が沈んでるだけや。」

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