バナナ将棋詩

バナナ将棋詩
──ねじれたバナナが見た、夢の対局──

1|ねじれたバナナが夢で見た将棋の対局
駒たちはすべてバナナだった。
将棋盤の香りは甘く、
角に置かれた王将は、
まだ青かった。

2|王将バナナのひとりごと
「詰んでいるのは
盤面ではなく、
この皮の内側かもしれぬ」

3|香車バナナの遠距離スナイプ
まっすぐ、ただまっすぐ。
意志はあるのに、
皮がもつれて着弾しない。

4|桂馬バナナのL字跳び事故
ピール音とともに跳んだ。
Lの字の途中で
思考がすべった。

5|角バナナの斜めな日々
正面からぶつかれない。
いつも斜に構えて
黄ばんだ哲学をこねている。

6|歩バナナの覚悟
一歩ずつ、しかない。
でもその一歩が、
成りへの道だった。

7|成りバナナの決意
「バナナとして生まれたが、
今日からはもう、
金の気持ちで生きていく」

8|飛車バナナの空中散歩
縦横無尽に滑空しながら、
皮だけが遅れてついてくる。

9|金バナナの包容力
すべてを包むような動き。
でも誰にも
包まれたことがない。

10|王バナナのエンディング
「ここで投了か。
いや、皮だけでも
まだ立っている」

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