無意味詩『お前、ポップガードになってみるか?』
ワイ、もう履かれへんようになって久しい。
洗濯もされんと、タンスの奥でホコリまみれや。
毛玉だらけで、のびのびで、
もう終わった思てた。
そやけど今日──
「おまえ、ポップガードになってみるか?」
……は? 何ゆうてんねん。
ワイ、タイツやで?
それも毛玉だらけの。
穴、空いてんねんで?
舞台に立てるような格ちゃうやろ。
でも、くくられた。
ハンガーに。
ほな、不思議なことが起こった。
人の声の前に立たされて、
息を、声を、受け止めるようになった。
ワイ、音をやわらげてる。
なんや、守ってるみたいや。
ワイの毛玉が、意味を持ち始めた。
すべりも、綻びも、
捨てられへんかったことも──
ぜんぶ、ここに繋がっとったんやな。
今日、ワイはポップガードとして舞台に立つ。
毛玉のままで。
「君の声を、守らせてくれや──毛玉より」
帝国散歩(無意味帝国の地図はこちら)
https://muimi.world/empire-walk/
無意味公文書館(すべての作品一覧はこちら)
https://muimi.world/archive/