無意味詩『頂点を夢見る栗の詩』

「どうせ、下の方やろ」
って、誰かが言うた。

タルト台の端っこ、
チョコレートムースの奥、
見えへんところに、わいはおる。

せやけどな、
あのモンブランのてっぺんで、
堂々と立ってる栗を見て、思うてしもたんや。

──あそこ、気持ちええんかな
──光、あたるんかな
──誰かの“わぁっ”て声、聞こえるんかな

「夢、見てもええやろ?」

クリームの海をかきわけて、
スポンジの谷を登って、
わいは、目ぇ細めて空を見る。

まだ届かへんけど、
まだ、あきらめてへん。

🫧あとがき(つぶやき)
夢見る栗を笑うな。
あいつ、意外と粘るで。

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