ある日、ルンルンは静かにスカウトされた。
「君、元気そうだね。
この案件、君にピッタリかもしれない。」
渡されたのは、
謎の封筒──表には“現場”とだけ書かれていた。
中身は指示書。
場所は「公園のベンチ裏」
時間は「午前3時21分きっかり」
服装は「なるべく光らないもの」
ルンルンは迷った。
けど──
今週は2ルンルンしかなかったし、
ちょっと好奇心が勝ってしまった。
約束の時間、ベンチ裏。
薄暗い中、ルンルンは震えていた。
そこに現れたのは、
サングラスをかけた“テンション”だった。
「久しぶりだな、ルンルン……
おまえも堕ちたか。」
「やることは簡単だ。
朝のニュース番組に紛れ込んで、
“今日はいい一日になりそう”って言うだけだ。」
「でもそれって……
ふつうのルンルンやないの?」
「ちがう。
強制的に“ポジティブ感染”させる装置なんだ。
無理して笑ってる人が増える。
その影響で、世界がちょっとだけ歪む。」
ルンルンは震えながら聞いた。
「これ……ほんまに“いいこと”なん?」
テンションは笑った。
「知らん。
でも金は出る。」
ルンルンは答えなかった。
封筒をそっと置いて、
ベンチから立ち去った。
帰り道、空を見上げた。
星は出てなかったけど、
なんかスッキリしてた。
そしてその夜、
2ルンルンから、3ルンルンになった。
🫧あとがき(つぶやき)
「テンション高い=正義」じゃないってこと、
誰か、気づいてくれるかなぁ。