無意味詩『朗読劇①:白パグのオフ会』

(白いカフェマットの上。静かに丸まる5匹の白パグ)

シュガー3号:
「なあなあ、言うてええ?
 この前、おばあちゃんに布団と間違えられてん。
 敷かれたんや、ワイ。
 ふかふかって言われたんや。
 ほめられてんのか、押しつぶされてんのか、
 どっちやねん。」

MEI:
「うちは……
 散歩中、子どもに“おばけや!”って言われて、
 飼い主さんが謝ってくれてんけど……
 その子、帰り道ずっと泣いてたらしい。
 ワイ、そんなに……こわいか?」

ホワグチ:
「口元だけ黒いから、
 “牛や牛や〜!”って言われたことある。
 あの子、めっちゃ楽しそうやったけど、
 ワイ、ずっと草むしってた。」

フェードマン:
「昔、フォーンやったんよ。
 でもある日、ふと鏡見たら……
 “あれ、ワイ、白いやん?”ってなってた。
 なんかこう……色って逃げるとき、音も出さんのな。」

スノーラ:
(ぽつり)
「服、何着ても、透けるねん……
 ワイが、服を吸収してるらしい。
 白すぎて、世界がうっすら薄く見える日がある。」

(小さく笑いが漏れる)

シュガー3号:
「……なぁ、うちらだけなんかな。
 白くてよかったこと、あんま思いつかへんのやけど……」

MEI:
「それでも……
 こうやって、白い子だけで集まれたんは、
 なんか、うれしいな。」

ホワグチ:
「ここにおるときくらい、
 “布団”とか“おばけ”とかじゃなく、
 ただの“白パグ”でいさせてほしいわ。」

フェードマン:
「今日は消えへん気がするな。
 誰かの目に、ちゃんと映ってる気がする。」

スノーラ:
(静かにうなずき、目を閉じる)

(全員、ふわっと丸くなって、眠る前のような静けさ)

ラストナレーション(語り)

白という色は、
どんな色よりも見落とされやすくて、
どんな色よりも、
誰かの“やさしいまなざし”を待っている。

今夜、白パグたちは、
自分の色を、ほんの少しだけ、好きになった。

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