(白いカフェマットの上。静かに丸まる5匹の白パグ)
シュガー3号:
「なあなあ、言うてええ?
この前、おばあちゃんに布団と間違えられてん。
敷かれたんや、ワイ。
ふかふかって言われたんや。
ほめられてんのか、押しつぶされてんのか、
どっちやねん。」
MEI:
「うちは……
散歩中、子どもに“おばけや!”って言われて、
飼い主さんが謝ってくれてんけど……
その子、帰り道ずっと泣いてたらしい。
ワイ、そんなに……こわいか?」
ホワグチ:
「口元だけ黒いから、
“牛や牛や〜!”って言われたことある。
あの子、めっちゃ楽しそうやったけど、
ワイ、ずっと草むしってた。」
フェードマン:
「昔、フォーンやったんよ。
でもある日、ふと鏡見たら……
“あれ、ワイ、白いやん?”ってなってた。
なんかこう……色って逃げるとき、音も出さんのな。」
スノーラ:
(ぽつり)
「服、何着ても、透けるねん……
ワイが、服を吸収してるらしい。
白すぎて、世界がうっすら薄く見える日がある。」
(小さく笑いが漏れる)
シュガー3号:
「……なぁ、うちらだけなんかな。
白くてよかったこと、あんま思いつかへんのやけど……」
MEI:
「それでも……
こうやって、白い子だけで集まれたんは、
なんか、うれしいな。」
ホワグチ:
「ここにおるときくらい、
“布団”とか“おばけ”とかじゃなく、
ただの“白パグ”でいさせてほしいわ。」
フェードマン:
「今日は消えへん気がするな。
誰かの目に、ちゃんと映ってる気がする。」
スノーラ:
(静かにうなずき、目を閉じる)
(全員、ふわっと丸くなって、眠る前のような静けさ)
ラストナレーション(語り)
白という色は、
どんな色よりも見落とされやすくて、
どんな色よりも、
誰かの“やさしいまなざし”を待っている。
今夜、白パグたちは、
自分の色を、ほんの少しだけ、好きになった。