ルンルンがいなくなった朝、
ちょっとだけ、空が静かやった。
カーテンが風に揺れてるのに、
空気が動いてへん気がした。
トーストをかじったら、
いつもよりちょっとだけ角がかたかった。
牛乳も、ぬるかった。
そっか、と思った。
たぶん、ルンルンが旅に出たんやろなって。
どこに行ったんやろ。
誰かのポストかもしれんし、
プリンの底かもしれんし、
靴下になってるかもしれん。
「ええねん」って思えた。
旅立てるルンルンが、
アタシの中におったってことやから。
行ってらっしゃい。
なんならお土産、待ってるで。
あとがき
ルンルンが旅に出る日は、
たぶん、ちょっとだけ世界の機嫌がよくない。
でもそれも、“いた証拠”やと思えたら、
不思議と、こっちも旅がしたくなるねん。