無意味芸術論

パグ500匹バレエ団・第5演目『くるぶしの森で』

──眠らぬくるぶし、目覚めぬ森──

本作は、森とくるぶしの間にだけ存在する空間を描いた、
幻想的かつ曖昧な舞踏劇である。

舞台上には、一本の木。

その下でパグたちは、
くるぶしの高さまでしか跳ばないジャンプをくり返す。

音楽は、笛のような音。
だが、吹いているのは誰か、わからない。

モネパグは遠くを見つめ、
ドナドナは草を咥えながら首をかしげる。

プルル団長だけが、
「森には、何かが居る」とだけ言い残し、立ち去った。

演出・構成:マエストロ・ブブノフ

稽古中、森を再現するために盆栽を3個持ち寄るという斬新な演出が話題に。
本番ではその盆栽が照明で溶けかけるトラブルが発生。

ブブ先生は「むしろ溶けかけてこそ、森や」と語った。

演目構成:

第一景:森の入口(みんな寝ている)
第二景:くるぶしの試練(ジャンプ3cm以内に制限)
第三景:何かが過ぎた気配
第四景:気配の気配(完全静止)
終景:光だけが残る

団長コメント:

「森は……見えるようで、見えてへん。
 くるぶしも、な。」

──プルル、木の根元で考えこみながら

🐾謎の補足:森は本当にあったのか

舞台装置としての森が、そもそも用意されていなかった可能性がある。

出演者のうち48匹が「木を見た」と証言したが、
残り452匹は「それ、トイレの目印ちゃうか?」と反論している。

ブブ先生の記憶には、
「盆栽と懐かしい気配」しか残っていない。

プルル団長にとって森とは、

「ひとりで佇んだ時、鼻が勝手に動く場所」
らしい。