疲れ詩『座った席だけクーラー直撃』

やっと座れた。
今日の移動は長かったし、足もパンパンやった。
座れるだけで、ちょっと救われる気がした。

でも、
その席だけ──
クーラー、直撃。

耳の後ろから、首筋から、
肌の隙間に風が刺さる。

「わたし、何か悪いことした……?」
って問いかけたくなる冷たさ。

まわりの席は平和そうやのに、
なぜかここだけ氷河期。
わたしのとこだけ風のバグが起きてる。

“冷えてる”やない。
“責められてる”ねん。

ちょっと移動したくても、
車内パンパン。
満席。動かれへん。

カバンで首をガードしてみても、
服の襟立てても、
なんかもう、
心が「さむ……」って萎んでいくのがわかる。

冷気に削られる体力と、
誰にも見えないしんどさ。
しんどいのに、
座れてるから文句も言えん。

あと10分、冷気に耐えるだけ。
……のはずが、めっちゃ長い。

「どうか、どっかの誰か、降りてくれへんかな」
って祈るけど、
みんなずっと乗ってる。

わたし、
たぶん今日のこと、ずっと覚えてる。

(了)

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