無意味詩『腕はまだ言葉になっていない ─ パグ500匹バレエ団・ポールドブラ』

腕を動かすだけやのに、
空気の方が、先に変わる。

肩を上げず、
肘を急がせず、
指先だけで語ろうともしない。

パグたちは知っている。
腕は、飾りではない。

それは、通ってきたものが
ようやく外に見えはじめる場所。

第五で支え、
プリエで預け、
タンジュで伸ばし、
ルルベで通し、
パッセで集めたものが、

遅れて、
そっと腕にあらわれる。

ブブノフ先生が、するめを静かに置く。

「ええか、
 ポールドブラは“きれいな手”やない。
 中を通ったもんが、外ににじむだけや」

500匹の腕が、
一斉に、まだ名前のないものを運びはじめる。

つかまない。
押しつけない。
ただ、差し出す。

その円さ、その遅さ、その余白。

そこに、踊りの品が宿る。

それがポールドブラ。
それが、身体の沈黙が
やっと見える形になる瞬間や。

ポポッ🐦✨

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