無意味詩『図書室の冷え』

図書室の隅で、
埃をかぶった一冊を手に取る。

『ウサギでもわかる恋愛マナー』
目を見て、ニンジンを渡しましょう。

その隣、
『猿でもできる副業100選』
バナナを売って、バズれ。

『パンダでも描ける現代アート』は、
モノクロのまま、ページが終わっていた。

棚の最上段。
『カタツムリにも効く時短術』
──返却された形跡は、ない。

笑いながら読み進めていたはずなのに、
心のどこかが、少し冷えていく。

だれでも、なんでも、すぐわかる。

そんな世界って、
ほんまに豊かなんやろか。

ポポッ🐦✨(ページだけが、軽くめくられていく音)

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