昔々あるところに、 レビューを読む時だけ異様に真剣になるおばあさんと、 星の数をそのまま信じているおじいさんがおりました——。
ある日のこと。
おばあさんは、 通販サイトで新しい電気ケトルを探しておりました。
「レビュー見よ☺️」
そう言いながら、 静かに画面をスクロールし始めたのです。
星五。 星四。 星一。
おじいさんは、 不思議そうに聞きました。
「星多い方が、 ええんちゃうんか☺️」
しかしおばあさんは、 静かに首を振ります。
「星五は、 ちょっと疑う☺️」
そこには、 こんなレビューが並んでいたのです——。
「人生変わりました!⭐5」
「まだ使ってませんが、 期待を込めて⭐5」
「箱が綺麗でした⭐5」
おばあさんは、 深くため息をつきました。
「まだ使ってへんのに、 何を評価しとるんや☺️」
おじいさんは、 少し困った顔で言いました。
「期待しとるんやろ☺️」
しかしおばあさんは、 静かにスクロールを続けます。
そして——。
星三レビューを見つけた瞬間、 姿勢が変わったのです。
「……来た☺️」
そこには、 こう書かれていました。
「悪くはないです」
「少し重たいですが、 慣れれば問題ありません」
「期待しすぎなければ良いと思います」
おばあさんは、 深く頷きました。
「これや☺️」
おじいさんには、 ますます分かりません。
「なんで真ん中が、 一番信用あるんや☺️」
おばあさんは、 静かに言いました。
「星三には、 生活があるんよ☺️」
その頃にはもう、 おばあさんは、 レビューの星ではなく、 “人間の温度” を読んでいたのです——。
その夜。
結局おばあさんは、 何も買いませんでした。
レビューを読みすぎて、 疲れたからです——。
おじいさんは、 静かにお茶をすすりながら、 ぽつりと言いました。
「最近の村人、 買う前に考えすぎやなぁ☺️」
おばあさんは、 星三レビューを閉じながら、 静かに頷きました。
「失敗したくないんよ☺️」
そうして今日も村では、 誰かの星三が、 静かに読み継がれているのでした——。