スン民とは

静かに生きる人々の生態と哲学

スン民とは

スン民(すんみん)とは、静かに生きる人々のことである。

大きな声では語らない。
群れもしない。
争いも好まない。

しかし、よく見るとそこにいる。

カフェの隅。
図書館の端。
電車の窓側。

世の中では、こういう人を
「内向型」と呼ぶこともある。

しかしスン民は、
それより少し自由な存在である。

陰キャでもない。
陽キャでもない。

ただ、スンとしているだけ。

騒がない。
目立たない。
しかし、よく観察している。

空気を読むこともできる。
だが、空気に振り回されるのは好きではない。

ひとりの時間を楽しみ、
意味のないものにも惹かれる。

そして時々、
無意味帝国に迷い込む。

もしあなたが

  • 人混みで少し疲れる
  • 静かな場所が好き
  • ひとり時間がわりと心地いい
  • 意味のないものに惹かれる

そう思うなら、
あなたはすでにスン民かもしれない。

スン民十か条

スン民には、特別な資格も、入会手続きもない。
ただ、静かな共通感覚のようなものがある。
ここでは、その基本原則を紹介しておこう。

  1. 無理に群れない。
    必要なときだけ近づく。
  2. 騒がない。
    しかし、静かに観察している。
  3. 争わない。
    距離という技を使う。
  4. 空気は読む。
    しかし空気に人生を預けない。
  5. ひとり時間を恥だと思わない。
  6. 意味のないものを大切にする。
  7. 無駄話をわりと楽しむ。
  8. 沈黙を恐れない。
  9. 疲れたら静かに離脱する。
  10. スンとして今日も生きる。

これらを守れなくても問題はない。
そもそもスン民は、規則を厳しく守る文化ではないからだ。

だいたいこのへんの感覚があれば、
もう立派なスン民である。

スン民の一日

スン民の一日は、静かに始まる。

スン民は、静かに目を覚ます。
アラームが鳴る前に起きることもあれば、
鳴ってからもしばらく天井を見ていることもある。

「今日も世界は、だいたい騒がしいんやろな」

そんなことを思いながら、とりあえず顔を洗う。

通勤

電車では、だいたい端にいる。
窓の外を見ているか、スマホを見ているか、
あるいは何も見ていない。

誰かが大きな声で話していると、
少しだけ距離をとる。

それがスン民の護身術である。

職場や学校では、基本的に目立たない。
しかし、よく観察している。

「あの人、今ちょっと機嫌悪いな」
「この空気、あと5分で重くなるな」

そういうことは、だいたい分かる。
だが、あえて言わない。

それがスン民の流儀である。

夕方

やることを終えたら、静かに撤収する。

「お先に失礼します」

この言葉を言うとき、
スン民の心はだいたいこう思っている。

「やっと帰れる」

スン民の本当の時間は、ここから始まる。

部屋に戻り、好きなことをする。
本を読む。
動画を見る。
考え事をする。
意味のないことを調べる。

そして時々、
無意味帝国を訪れる。

深夜

世界が静かになる時間。
スン民は少し元気になる。

昼間は目立たなかった思考が、
ゆっくり動き出す。

「あれって、結局どういうことなんやろ」

そんなことを考えながら、
またひとつ、意味のない思考を楽しむ。

そして眠る前に、スン民はだいたいこう思う。

「まぁ、今日もええか」

それが、スン民の一日である。

スン民の敵

スン民は、基本的に争わない。
しかし、静かに苦手としているものは存在する。
ここではスン民研究の成果として、代表的な“天敵”を紹介しておこう。

  • 突然の電話
    スン民は電話という文化に少し緊張する。
    特に苦手なのは「今大丈夫?」という前置きのない着信である。

    スマホが鳴ると、まず心の中でこう言う。
    「……なにごと?」
  • 大人数の飲み会
    スン民は静かな会話は好きである。
    しかし十人以上の飲み会になると、だいたい途中で魂が離脱する。

    笑ってはいるが、心の中ではこう思っている。
    「帰りたい」
  • 雑なマウント
    スン民は競争が嫌いというより、雑な競争が苦手である。
    年収、学歴、フォロワー数。

    そういう話が始まると、だいたいこう思う。
    「それ、そんな大事か?」
  • 空気の強制
    スン民は空気を読む。
    しかし空気に従えと言われると少し困る。

    なぜならスン民は、空気よりも
    静かな距離を大事にしているからである。
  • やたら元気な自己啓発
    「夢を持とう!」「もっと前へ!」
    こういう言葉が嫌いなわけではない。

    ただスン民には
    「まぁ、ぼちぼちでええか」
    という哲学がある。

そして重要なことを伝えておく。

スン民はこれらのものと戦わない。
ただ、そっと距離をとる。

それがスン民の平和主義である。

スン民の名言

  • 「まぁ、ええか。」
    スン民の代表的思想。
    世界の9割はこの一言で処理される。
  • 「それ、今せなあかん?」
    急かされる文化への静かな抵抗。
  • 「ちょっと距離とろか。」
    スン民の護身術。
  • 「騒ぐほどのことでもない。」
    世界の大半の出来事への感想。
  • 「ひとりは孤独ちゃう。休憩や。」
    スン民の基本認識。
  • 「元気な人は、だいたい元気やな。」
    観察の結果。
  • 「沈黙は、わりと快適。」
    会議中の心の声。
  • 「わかる人だけ、わかればええ。」
    スン民文化の核心。
  • 「深夜のほうが、世界まともや。」
    スン民の生活リズム。
  • 「意味ないけど、なんかええ。」
    無意味帝国の精神。

もしこの言葉に少しでも共感したなら、
あなたはもうスン民である。