ポポ昔話 Type-Cという国

昔々あるところに、 ケーブルの違いがまったく分からないおじいさんと、 「大体はType-Cでいける☺️」 と言っているおばあさんがおりました——。

おじいさんはある日、 スマホの充電器を見つめながら、 不思議そうに首をかしげました。

「何でコンセントがないんや?」

おばあさんは、 老眼鏡を少し上げながら、 静かに答えました。

「それ、Type-C☺️」

しかしおじいさんには、 その言葉の意味が、 よく分かりません。

「……タイプCいう国の規格かのう」

おばあさんは、 何も言わず、 引き出しを開けました。

そこには、 絡まり合った大量のケーブルが、 静かに眠っていたのです——。

昔のガラケー。 デジカメ。 正体不明の充電器。

そして、 もう何に使うのか誰にも分からない、 古代のコードたち——。

「古いケーブルは処分せな、 火事になるで☺️」

おばあさんはそう言いながら、 一本ずつ整理を始めました。

しかしおじいさんは、 十年前の充電器を握りしめ、 静かにつぶやきます。

「まだ使える気がするんやが……」

おばあさんは、 “いつか使う” という言葉の危険性を、 深く理解しておりました——。

その夜。

おじいさんは、 Type-Cのケーブルを一本持ちながら、 しみじみと言いました。

「最近は、 みんなType-Cという国へ行ってしもうたんやなぁ……」

おばあさんは、 その意味が少し分かる気がして、 静かに笑ったと伝えられております——。

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