昔々あるところに、 買い物をする前に、 必ずレビューを確認するおばあさんがおりました——。
最初は、 参考程度でした。
「ふむふむ☺️」
そう言いながら、 星の数を眺めていたのです。
しかし次第に、 おばあさんは、 レビューを深く読み込むようになりました。
星五。 星四。 星三。
そして、 なぜか一番気になるのは、 星一レビューでした——。
「届いた箱が少し潰れていました」
「思ったより、 “マット寄り”でした」
「猫は気に入っていますが、 私は微妙です」
おばあさんは、 腕を組みながら、 静かに考え込みます。
「……なるほどなぁ。」
その頃にはもう、 買い物より、 レビューを読むこと自体が目的になり始めていたのです——。
ある日のこと。
おじいさんが、 新しい湯のみを買おうとすると、 おばあさんが止めました。
「待って☺️」
おばあさんは、 スマホを開きます。
「“熱い飲み物を入れると熱いです”って書いてある☺️」
おじいさんは、 静かに固まりました。
さらに別のレビューには、 こう書かれていました。
「湯のみとしては普通です」
おばあさんは、 深く頷きました。
「普通なんやな☺️」
その日、 おじいさんは、 結局何も買えませんでした——。
そして数日後。
おばあさんは、 レビューを読みすぎた結果、 何を選んでも不安になる境地へ辿り着いたのです。
「評価四・六……
でも、
一人だけ“人生観が変わるレベルで臭い”って書いてるんよなぁ……」
おじいさんは、 静かに言いました。
「もう、 自分で確かめたらええんちゃうか☺️」
おばあさんは、 しばらく黙ったあと、 こうつぶやきました。
「レビューがないと、 逆に怖いんよ☺️」
その頃にはもう、 おばあさん自身が、 レビューみたいな人生になっていたと伝えられております——。