鏡の前でぼーっとしてたら、
ポタ、と音がして
上唇のあたりが、あたたかかった。
あ、鼻血や。
なにこれ。
別にぶつけてもないし、興奮もしてない。
何に反応したんやろ、わたしの身体。
スマホ見すぎ?
寝不足?
ストレス?
どれもたぶん、ちょっとずつ当たってる。
でも、正直……
なにに疲れてるのか、もう細かく言えへん。
ほんまは、
誰かに「大丈夫?」って言ってほしいけど
そんなこと言われたら、
余計しんどくなるのも、わかってる。
だから、鼻血でちょうどええ。
泣いたら重い。
倒れたら面倒。
でも鼻血なら、
ティッシュ一枚で済む。
そんな風に、
「大丈夫」の代わりに
血を流してみたかっただけかもしれん。
ポタ、ポタ、って
わたしの中の何かが
今日をやめたがってる音がした。
とりあえず、鼻の下に丸めたティッシュ詰めて
このまま
ソファで丸くなろうと思う。
鼻血が止まる頃には、
少しだけ、ましになってますように。
(了)