事故り詩『ドリップコーヒー忘却の彼方へ』

お湯を注いだ。

静かに、ゆっくりと。

あの香りが、ふわっと立ちのぼる。

ええ感じや。

今日は、ええ朝や。

そう思った瞬間、

なぜか、別のことをし始めてしまう。

洗い物か、
スマホか、
はたまた全然関係ない何かか。

時間は、静かに流れていく。

ポタ、ポタ、と。

コーヒーは落ちきっている。

しかし、あたしはそこにいない。

完全に、いない。

しばらくして戻ってきたとき、

そこにあるのは、

すっかり冷めた、黒い液体。

さっきまでの“ええ朝”は、
どこにも見当たらない。

ただひとつ、確かなことがある。

あたしはまた、

コーヒーを忘れた。

ポポッ🕊✨(←読了音)

詩が浮いてるんじゃない、世界が沈んでるだけや。

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