足を出すだけやのに、
全員が、遠くを見ている。
床をなぞるように、
つま先が前へと伸びていく。
離れない。
けれど、確実に離れようとしている。
パグたちは知っている。
届かない場所に、意味があることを。
出した足の先には、
何もない。
それでも、伸ばす。
その“何もなさ”に向かって、
身体を差し出していく。
ブブノフ先生が、するめを振る。
「ええか、
タンジュは“出す”んやない。
“届かへん”を知りにいくんや」
500匹のつま先が、
床の上で震えている。
触れているのに、
離れかけている。
戻るために、
一度、遠くへ行く。
それがタンジュ。
それが、意志の長さや。
ポポッ🐦✨