事故り詩 『犬がカメラそっぽ向く』

事故現場は、日常にあり。

「こっち見て〜」
「はい、いい子いい子〜」
「笑って笑って〜!」

とか言いながら
スマホ構えたその瞬間
くるん、と
首をそらす
うちの愛犬

まるで
芸能人のスキャンダル回避か?

こっちは必死に
「この角度がかわいい」とか
「背景も完璧」とか思って
カメラ構えとるのに

鼻しか映らん
後頭部しか映らん
地面しか映らん

たまに目が合っても
シャッター切る瞬間には
ペローンと舌出して
なんか変な顔

あれか?
魂、抜かれる思てんのか?

でもな、
寝てる時とか、
めっちゃ笑顔で夢見てるやんか
あれ、撮りたいねん
撮りたかってん

でもまた今日も
そっぽ向く
きれいに横顔だけ映っとる

──どっかで聞いたな
「美人は、横顔で語る」って

せやけど
うちの犬、
オスやで?

ポポッ🕊✨(←読了音)
詩が浮いてるんじゃない、世界が沈んでるだけや。

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