ピンポーン。
「こんにちは〜、受信の確認の件で~」
その声は、
なぜか風のない日に吹く風のようで。
名乗るでもなく、
笑うでもなく、
でも、なぜか正義の香りをまとっている。
玄関越しの攻防戦。
「テレビ?持ってませんねん」
「スマホでも受信できますよ?」
「え?うち、黒電話しか使ってへんけど?」
あんた、どこから来たん?
なんで住所、知ってんの?
うち、ポストに苗字も書いてへんけど?
契約書のペンが
なぜかキャップ外れてて、
差し出す動きが…無駄にスムーズ。
スーツに名札、あるけど読ませてくれへん距離感。
「ご確認いただけます?」
いや、それあんたしか見えてへんやろ!
NHKの勧誘の人は、
神出鬼没。
忘れた頃に。
やって来る。
そしてなぜか、
インターホンのカメラが
一瞬だけ映らんかったりする。
おい、
君は一体、何者なんだ?
NHKって書いたバッジ、
いつからつけてた?
誰がくれたん?
そして――
うちの前に立つ、その足元には。
Amazonのダンボールが、
届いていた。