疲れ詩『誰かの笑い声が耳に突き刺さる』

今日も、なんとか外に出た。
カフェの前を通りかかったら、
誰かの笑い声が、耳に刺さった。

それは、
刃物でもないし、怒鳴り声でもない。
ただ、明るくて、楽しそうで、
無邪気な「楽しそう」が、
なんかこう、
ザクッと、きた。

あの人たちは、なにも悪くない。
むしろ、ええことや。
笑えてる人がいるって、素晴らしいことや。

でも今日のわたしには、
あの音が、痛かったんや。

こっちは笑えへんのに、なんで笑っとんねん
って、
一瞬でも思ってもうた自分に、
もっと疲れて、ちょっと泣いた。

こういうとき、スマホの電源を落としたくなる。
通知も、陽気なCMも、
「元気出して」も、「大丈夫?」も、
全部、しんどい。

何もいらん。
ただ静かに、風だけ吹いてたらそれでええのに。

笑い声が突き刺さる日って、
たぶん、自分の声が出ぇへん日やねん。
わかってる。
それでも、傷ついたことには変わらへん。

明日、もうちょっとだけ回復したら、
あの笑い声が、
今度は遠くで響くBGMぐらいに思えるかな。

今日は、聞こえへんふりして、
ただ、寝る。

(了)

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