事故り詩『もう片方は、どこへ行ったの?』

事故現場は、日常にあり。

洗濯物を干して
取り込んで
たたんでると

ない。

白とグレーの
あの靴下の
もう片方だけが

ない。

洗濯ネットにもいない
洗濯槽の底にもいない
バスタオルの中にも巻き込まれてない

干してたはずやのに
どこにも
いない

もしかして
ベランダから
一人旅?
風にさらわれ、空を見てしもたん?

それとも
最初から
二人じゃなかったんか?

ワシ、あの靴下、
一足やと思ってたけど
実はお前、
孤独を二重にしてただけなんか?

買う時は
セットやったのにな

なんでこうなるんやろな

「お前、またやん」て
言いながらも
探してしまう自分が悲しいわ

そして
一週間後

まったく別の洗濯物の中から
しれっと現れるお前

なんやねん
何事もなかったかのように

「ちょっと旅に出てた」
みたいな顔しやがって

もう、片方どこやねん。

ポポッ🕊✨(←読了音)
詩が浮いてるんじゃない、世界が沈んでるだけや。

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