事故り詩『指が“隣のキーにこんにちは”』

打ってるつもりやねん。

ちゃんと狙ってるねん。

なのに、

「おはよう」って打ったつもりが、
「おはよいう」になっている。

誰や、今の“い”。

呼んでへんで。

指は悪びれもせず、
次のキーにも挨拶していく。

まるで、近所づきあいのええ住民みたいに。

「すみません、ちょっとだけ」
みたいな顔をして、

全然ちょっとちゃうねん。

訂正しても、
また現れる知らん文字。

増える。
増える。

勝手に参加してくるやつら。

これはもう誤字ちゃう。

集会や。

キーボードの上で、
文字たちの寄り合いが始まっている。

あたしはただ、
一言だけ打ちたかったのに。

気づけば、
知らんメンバーで構成された文章が完成している。

指よ。

せめて、
用事のあるキーだけ訪ねてくれ。

ポポッ🕊✨(←読了音)

詩が浮いてるんじゃない、世界が沈んでるだけや。

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