事故現場は、日常にあり。
花の種を植えたのは
たしか一年前やった
説明書には
「春に芽が出ます」って書いてたのに
出えへん、出えへん、何にも出えへん
「不発やったな」
「風で飛んでいったんかな」
「土、間違えたんかな」
思いつく限りの敗因を挙げて
あきらめた
それから三年後
草抜きしようとして
しゃがんだら、そこに
──咲いとる
ピンクの、まぎれもなく“あの花”が
「遅いねん」
「今さらなんやねん」
文句もあるけど
その花が咲いた瞬間、全部どうでもよくなった
あたしの春は、
たぶんこっちやったんやな
種が悪かったんやない
わたしが忘れるくらい、
その種はずっと、土の下で準備してたんや
──忘れてくれて、ありがとうって
言われた気がした
ポポッ🕊✨
詩が浮いてるんじゃない、世界が沈んでるだけや。