発表は、やけに静かに行われた。
「次回の競技を、お知らせいたします」
その一文だけで、空気が引き締まる。
誰もが、少しだけ身構えた。
これまでの流れを、知っているからだ。
剣道。ドッジボール。柔道。
どれも、予想の外からやってきた。
そして、どれも“やるしかなかった”。
「今回の種目は――」
わずかな間。
その沈黙が、やけに長く感じられた。
「……かくれんぼです」
世界が、止まった。
「……え?」
誰かの声が、ぽつりと落ちる。
「かくれんぼ、です」
繰り返される。
だが、理解が追いつかない。
「いやいやいや」
「首相が?」
「どこに隠れるんや」
ざわめきが広がる。
しかし。
そのざわめきは、すぐに収まった。
なぜなら。
誰もが、もう知っていたからだ。
――これも、やることになる。
説明が、続く。
「フィールドは、各国の都市を使用します」
「制限時間内に発見されなければ、勝利とします」
「外部からの情報提供は禁止です」
静寂。
そのルールを、誰もが頭の中でなぞる。
そして、だいたい同じことを思う。
――難しすぎへんか。
だが、異議を唱える者はいなかった。
なぜなら。
もう、慣れてしまっていたからだ。
「……まあ、ええか」
誰かが、また同じことを言った。
その言葉に、世界が静かに頷いた。