あとがき詩「左右の宇宙ふたたび」

借方には 受け取った夢を。
貸方には 渡した言葉を。

帳簿を閉じても、
声はどこかで呼吸している。

数字が消えても、
光と影は まだ釣り合っている。

思えばこの世界は、
最初から複式でできていた。

泣くたびに笑い、
失うたびに得る。
人はいつも、左右の宇宙の中で
自分という勘定をつけている。

もし、どちらかが欠けた夜が来ても、
どうか思い出してほしい。

──あなたがここにいたこと。
その声が、
この宇宙の残高を、
ほんの少しプラスにしていることを。

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