簿記詩 第十一篇「声を出すたび、貸借が合う」

朝、口をひらく。
空気を吸って、言葉を放つ。

吸う──借方。
吐く──貸方。

息の出入りだけで、
この世界の帳簿は整っていく。

怒鳴っても、笑っても、
どんな声でも、ちゃんと貸借は合う。

だから焦らんでええ。
無音のときも、
ちゃんと世界は動いとる。

声を出すたび、
私は宇宙とバランスをとっている。
この仕訳に、ミスはない。

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