簿記詩 第十二篇「申告前夜のブルース」

夜更けのデスク、
青い光の中で電卓が鳴く。

数字が並ぶたび、
心臓もいっしょに打ち込まれていく。

“売上”“経費”“所得”
どれも現実で、どれも少し夢の残骸。

私はコーヒーをすすりながら、
自分に問いかける。
「今年、何を残せたやろ?」

帳簿の端に、
見慣れない欄があった。
“勇気”と書いて、手が止まる。

数字にはできへん項目。
それでも消せへん勘定。

Enterキーを押すと、
少しだけ心が軽くなる。
──今日も生き残った。

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