スン民エッセイ第4記録『頼まれごとの構造』

人から何かを頼まれるとき、不思議な現象が起こる。

頼む側は、たいていそこまで深く考えていない。

「ちょうどそこにいたから」
「できそうだったから」
その程度の理由で、軽く声をかける。

しかし頼まれた側、とくに真面目な人は違う。

「頼まれたからにはちゃんとやらなければ」
そう思ってしまう。

ここに、重さの差が生まれる。

頼む側は軽い。
引き受ける側は重い。

この差は、なかなか見えない。

だから頼む側は気づかないし、
引き受ける側はひとりで疲れていく。

そしてあるとき、ふと疑問が浮かぶ。

なぜ自分だけが、こんなに真面目に背負っているのだろうか。

頼むことと、引き受けることは、本来対等なはずである。

しかし現実には、そうなっていないことが多い。

スン民は、そこで一度立ち止まる。

「いや、ちょっと待て」

その頼まれごとは、本当に自分が引き受けるべきものだろうか。

ただそこにいただけではないだろうか。

そして静かに選ぶ。

引き受けるか、引き受けないかを。

そのとき初めて、
頼まれごとは“構造”から“選択”に変わる。

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