人から何かを頼まれるとき、不思議な現象が起こる。
頼む側は、たいていそこまで深く考えていない。
「ちょうどそこにいたから」
「できそうだったから」
その程度の理由で、軽く声をかける。
しかし頼まれた側、とくに真面目な人は違う。
「頼まれたからにはちゃんとやらなければ」
そう思ってしまう。
ここに、重さの差が生まれる。
頼む側は軽い。
引き受ける側は重い。
この差は、なかなか見えない。
だから頼む側は気づかないし、
引き受ける側はひとりで疲れていく。
そしてあるとき、ふと疑問が浮かぶ。
なぜ自分だけが、こんなに真面目に背負っているのだろうか。
頼むことと、引き受けることは、本来対等なはずである。
しかし現実には、そうなっていないことが多い。
スン民は、そこで一度立ち止まる。
「いや、ちょっと待て」
その頼まれごとは、本当に自分が引き受けるべきものだろうか。
ただそこにいただけではないだろうか。
そして静かに選ぶ。
引き受けるか、引き受けないかを。
そのとき初めて、
頼まれごとは“構造”から“選択”に変わる。