今日はちょっと、
ちゃんとした気持ちで朝を迎えた。
お気に入りのカップを選んで、
ゆっくりお湯を沸かして、
丁寧にコーヒーを淹れた。
ミルクも入れて、
色も香りも、パーフェクトやった。
でも、
飲んだ瞬間──
ぬるかった。
一口でわかる温度ミス。
飲めるけど……飲めるけど……
心がついてこない。
「これ、ちゃんと準備したやつやのに……」
「なんで……今日に限って……」
そんな気持ちがジワッと広がっていく。
“がんばったことが報われなかった味”って
あんねんな、と思った。
美味しいはずの一杯が、
なんか「自分って不器用やな」って
静かにダメージを与えてくる。
カップの中のぬるい液体が、
まるで、
わたしのやる気の残りかすみたいに見えた。
それでも飲んだ。
半分までは、飲んだ。
残りは流しに捨てた。
今日は、もうあったかくならん気がしたから。
(了)