発表は、突然だった。
「本日、首相決戦における人気競技ランキングを公開いたします」
その一文が、世界中を駆け巡った。
「……ランキング?」
誰もが、一度はその言葉を繰り返した。
戦争だったはずのものに、順位がつく。
その事実が、まだどこか現実離れしていた。
だが、画面にはすでに数字が並んでいた。
第一位――ドッジボール
ざわめきが起きる。
「まあ……そうなるか」
誰かが、妙に納得した声で言った。
第二位――剣道
「これは順当やな」
「美しさがある」
落ち着いた評価が並ぶ。
第三位――柔道(未開催)
空気が、少しだけ歪んだ。
「まだやってへんやん」
「期待値込みやろ」
「いやそれランキングちゃうやろ」
だが、誰も訂正しなかった。
なぜなら、妙に納得してしまったからだ。
さらに下位には、こう並んでいた。
第四位――相撲(議論中)
第五位――未定
「未定が入っとるんかい」
思わず、笑いが漏れる。
だが、その笑いはすぐに消えた。
誰もが、同じことを感じていたからだ。
――これ、普通に楽しんでへんか?
その違和感に、言葉はつかなかった。
しかし同時に、もう一つの事実もあった。
誰も、死んでいない。
ただ、勝って、負けて、
少しだけ悔しがっているだけだ。
「……悪くないな」
誰かが、ぽつりと呟いた。
それを否定する声は、なかった。